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フリーライター 山口 敦の「吉祥寺で思うこと」
吉Webお散歩隊、旧近鉄裏をゆく(+ Blue Moon)
 
 
Column01:フリーライター 山口 敦の「吉祥寺で思うこと」  
 
先日、中野南口の「光座」で斎藤晴彦さんの「劇団 黒テント」を観てきました。環境デザイナーの鳥越けい子さんと一緒です。善福寺で生まれ育った鳥越さんは、中野の友人に「こんど光座に行くの。」とよく通る声で言ったら、その友人が顔を真っ赤にして「何てこと言うの!」。その昔「光座」といえば有名なピンク映画館で、嫁入り前の娘が「ヒカリザ」など口に出すだけでもう死ぬほど恥ずかしいというか、ありえない言葉だったんだそうです。

光座は20年ほどまえに閉館し、今はボロボロながら食品市場、それに「佐世保バーガー」という日本のハンバーガー屋さん第一号なんていう店も入り、ちょっと気になる一角です。二階の映画館は、貸し劇場として時々使われています。「廃墟」のオーラが漂う光座。ピンク映画館の記憶をまちに残しつつ、形を変え「芝居小屋」として生き続けています。

「稽古場代ぐらい予算に組んどけよ、まったく。」
そうはいいつつ「予算についちゃあ、まあ、相談に乗るけどよ。」
『SPACE Be』のオーナーと支配人は、口は少々悪いが演劇青年たちにとっての守護神、そしてオヤジ、オフクロがわりのようです。

「会社潰したの威張って宣伝するのもなんだけどさ。」
川崎さんは、終戦直後から北口駅前にあった映画館の館長さん。その後今の場所に移ったのち、平成元年には映画館を閉館しました。そしてワンルームマンションへの建て替えにあたり、映画館を取り壊すまでのあいだ、建物を貸し劇場として公開しました。アングラ劇団が使えるぐらいの破格の安さで。

「どうせ壊すんだから何やったっていいよ。」
それでは、と、一階の天井をぶち抜き、建設機材を持ち込んで即席の「セリ」を作ってしまった劇団も。さすがに「天井壊すなら一番最後にしてくれ。」そして、いよいよ取り壊し直前には、消防レスキュー隊の訓練にこの建物が使われたそうです。念入りな「廃墟活用」。ケンチクは使われてナンボのもの。この劇場は、最後までナンボのものでした。幸せな一生です。

「3時間もだらだら芝居やったってつまんねえに決まってんだよ。2時間でも十分。」9時前に芝居がハネれば、終電まで一杯やりながら演劇論も交わせる。余韻を楽しみ甘いムードにも浸れる。それで町場が潤い、活気も生まれる。川崎さん流の「芝居小屋からのまちづくり」論。残念ながら川崎さんの映画館は「廃墟」としては残らず姿を消しましたが、「芝居小屋」の記憶は『SPACE Be』に、それにまちなかの居酒屋やカフェにしっかりと刻まれているようです。

「あそこ、前に何があったっけ?」
刻々変わりゆく街の「記憶・遺伝子」は、わたしたち自身が刻み付けていくものなのかもしれませんね。




(文・写真 山口 敦 2004/11/12)
 

●山口 敦:プロフィール●

 
Column02:吉Webお散歩隊、旧近鉄裏をゆく(+ Blue Moon)

時の流れは早いもので“近鉄”がクローズしてからもう4年。
近鉄裏は今どうなっているの?との疑問にお答えするべく、
我々“吉web探検隊”は、ホットな通りと噂の『クックロード』に突入した。
さっそく、見るからに南国情緒全開のお店が目に入る。
すると、なにやらムキになって議論する個性的な4人組に遭遇。
たずねるとゴハンするのに、沖縄料理の『ニライカナイ』にするか
ハワイアンキッチンの『ジングルジャングル』にするかで悩んでるという。
「へ?」
全身インディゴを纏った軍団は、この先の“にっぽんのジーンズ”・“和”のテイストにこだわったお店
『Blue Moon』の店員さんたちということが判明。
さっそくお店に潜入。ジーパン屋なのに「自転車」売ってる‥。
店内の壁一面にジーンズがズラリ。インディゴ好きにはたまらない物が所狭しと並ぶ。
オーナーは、生まれも育ちも吉祥寺。
ご両親は近鉄で約30年間!!ブティックをやっていたという、べたべたな吉祥寺っ子。
オーナー曰く
「今ここでお店をやっているのも、必然の様な気がする」
店を出すキッカケは、「こーゆーお店無いよねー。無いなら作ろっか!ってできたお店」なんですと。
内装はスタッフの手作り。コダワリはスタッフの方々にも脈々と息づいているよう。
「メーカーに負けないくらいこだわりたい」
そんな気持ちからジーパンのリメイクやリペアも職人気質の技術で対応している。
熱っぽく語ってくれたオーナーと、更なるディープな旧近鉄裏探検を決意し、この場所をあとにした。

●このコラムは2000年近鉄百貨店閉店間際の吉祥寺webマガジンに掲載の「吉Webお散歩隊"近鉄裏"を行く」のパート2として、今回は『Blue Moon』のスタッフにご協力いただきまました。

Blue Moon  藍を愛す!
MAP9
藍染めににっこり笑うお月さまが目印。
“にっぽんのジーンズ”・“和”のテイストにこだわった店内には、オーナーのこだわりが至る所にちりばめられています。
なぜか懐かしい気分になってしまう、ココロ安らぐお店。



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